今回は「天体望遠鏡」のご案内です。 昔から人々は星を見つめて暮らしてきました。星座占いに一喜一憂し、三国志では夜の星で戦術を決め、 夜の航海では方角を知るために北極星は絶対的な存在でした。
また、七夕やギリシャ神話のように夜空にまつわる伝説も数多く残されています。 家族と一緒に夢多き夜空を見つめて見てはいかがですか?


天体望遠鏡には様々なタイプがあります。初心者向けに市販されている光学式天体望遠鏡は、 基本的に鏡筒・架台・三脚のパーツに分かれています。 それぞれの特徴をご説明しますので、予算や目的にあわせて選んで下さい。
鏡筒:

天体望遠鏡の本体の部分です。レンズや鏡を使って光を集め、接眼レンズで拡大して見える仕組みになっています。 仕組みとしては、屈折式・反射式・カタディオプトリック式があり、それぞれの特徴があります。 それぞれについて説明致します。
屈折式:
屈折式は、レンズを組み合わせた望遠鏡です。対物レンズを使って光を集めます。 視界全体が安定しているので、多目的の観測に対応し易いです。 手入れがあまり必要ないので、扱いやすくなっています。 レンズを数枚使うために、多少価格が高くなるのと重くなる点があります。
反射式:
反射式は、反射鏡を使った望遠鏡です。凹面鏡(対物主鏡)を使って光を集めます。 レンズで光を集めると色の波長の違いで像がぼやけやすくなります(色収差)が、 鏡を使用しているので色収差がありません。 比較的手頃な価格で入手できますが、室内外の温度差がある場合、外気温に慣らす必要があります。 また、太陽の観測はできません。
カタディオプトリック式:
カタディオプトリック式は、反射望遠鏡にレンズを組み込んだ上記を組み合わせたような望遠鏡です。 反射式を元に、補正レンズを使用していますので、それぞれの利点が工夫されて使用されています。 鏡筒が短くてすみ、持ち運びや観測が楽にできますが反射式と同じ注意が必要です。
どれがよく、どれが良くないと言うことでなく、それぞれに長短がありますので、 目的や予算に応じた望遠鏡を選ぶのがよいと思います。
架台:
架台とは、望遠鏡本体と三脚との間にある望遠鏡の向きを変えるための台です。 初心者が買う天体望遠鏡はほとんどがセットになっていますが、 遠くを見るわけですから微妙な揺れも大きな影響として現れますので、しっかりしたものを選びたいですね。 架台にも経緯台や赤道儀など方式がありますが詳細は次回にご説明致します。
三脚:
一般的にはカメラの撮影の時によく見かける三脚と形は同じですが、架台と同じように微妙な揺れが大きく 影響しますのでしっかりした物を選びましょう。(重すぎると移動がつらいです)
と言うわけで、天体望遠鏡は、単純に言えば、屈折式での対物レンズや、反射・カタディオプトリック式の対物主鏡が、 大きければ大きいほど 明るく、くっきりした像で見られますし、倍率が大きければ対象も大きく見えますが、値段が上がるというわけです。 ですので、望遠鏡を決める際には、何をどの程度にみたいか(例えば土星の輪が見たいなど)と予算とを考えながらを 決められると良いと思います。もちろん精密機械ですのでそれなりの注意が必要にないます。
基本的な注意点
単純に対物レンズ(筒の前側のレンズ)の倍率が高ければよく見えると思いがちですが、いくら倍率が高くても 有効口径(レンズの口径:大きさ)が小さいと像はぼやけます。 口径が60mmなのに倍率が255倍だと画像は大きくなりますがぼやけると言う現象が起きますので、 60mmには120倍程度の倍率の望遠鏡を選ぶべきとなります。 口径(mm)×2倍〜2.5倍(60mmなら120倍〜150倍)までが適正な倍率と思われます。
数字に表れない注意点。
架台や三脚は性能が数字に表れませんし、設計や完成具合も数字で表しようがありませんので はかりようがありませんが、天体望遠鏡を作るのに向いていないような国の製品には注意が必要かと 思います。(ほとんどは問題ないとは思いますが) 見たい星が見つけられない・視界がぶれる・星を追いかけられないなどがあるとつらいですから。 「この望遠鏡で見た画像です」のような案内があるといいですね。
それでは、購入の参考になる倍率と口径の目安をご案内します。
『月』肉眼でもよく見えるぐらいですので、最初に見るのに良いでしょう。
口径60mmの倍率50倍位で全体が見えます。 80mmの100倍位で山やクレーターがはっきり見えます。
『土星』
環に特徴がありますので、見てみたい惑星ですね。
口径60mmの倍率50倍位で全体が小さめに見えます。 80mmの100倍位で縞模様や環の濃炎が見えます。
『木星』
明るくて大きい惑星なので観測しやすい星です。
口径60mmの倍率50倍位で縞模様が数本見えます。 80mmの100倍位でさらに詳しい縞がみえます。 低倍率で4つの衛星も観測しましょう。
『金星』
口径60mmの倍率50倍位で満ち欠けがよく見えます。 金星は地球の周回より内側で太陽の周りを回っているため、明け方や宵にしか見ることが出来ません。 月のように満ち欠けがありますが、地球との距離が一定ではないので見える大きさが変わります。 太陽に近いので、太陽を見ないように注意して下さい。
『太陽』
何度も書きますが、反射式、カタディオプトリック式では太陽の観測はできません。 また、屈折式でも太陽投影板が必要です。十分な注意が必要です。
いかがでしたか?初心者向けの天体望遠鏡でも木星の縞模様や土星の環を見ることが可能ですので、
ぜひ、家族で観測会を開いてみて下さい。
惑星にまつわるギリシャ神話やガリレオ・ガリレイの話をすると「おおっ」となること請け合いです。
次回は微動のきく架台や、焦点距離、口径比(F値)、分解能、集光力、極限等級など、もう少し
細かい内容のご説明をします。月についてさらに詳しく
土星についてさらに詳しく



